2018年02月06日

ハムスターのお尻から何か出ている、脱腸している (腸重積)

(本稿は手術写真を含みます。苦手な方はご注意下さい。)





ハムスターさんのお尻から何か赤いものが出ている場合、脱腸であることがほとんどですので、早急に病院に行きましょう。
ただし、出ている腸を単純に戻して治療終了となることはほとんどありませんので、注意が必要です。
そもそも、脱腸にはざっくり分けて2種類あります。
肛門のすぐ手前の直腸がでてしまう直腸脱と、もっと奥の腸管が出てしまうようなケースです。奥の腸管が出てしまう場合には、おなかの中では腸重積(腸管の中に腸管が入り込んで腸閉塞・血行不良や壊死をおこす状態)を生じているため、外から見える脱腸部分はその一部分にすぎません。
直腸脱の場合には、腸を戻してあげるだけでよいのですが、ハムスターさんの脱腸はほとんどの場合直腸脱ではなく腸重積です。
したがって、治療には外から見えている脱腸部分を戻すだけでなく、おなかを開けて腸を整復する手術をしなければなりません。
適切な治療がなされずに腸が出ている時間が長くなると、腸閉塞・腸への血行不良からどんどん状態が悪化し、急速に衰弱して死亡することが多い緊急疾患です。
しかし、適切に手術を行ったとしても、以前救命率は低いことが多いため、どのような治療をしていくか、獣医とよく相談しましょう。





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脱腸(腸重積)のジャンガリアンハムスターさん。お尻から腸が脱出しています。



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おなかを開けると、腸重積を起こし、腸が壊死しています。



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腸管吻合を行い、腸の再建手術を行いました。


ラベル:ハムスター
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2016年06月21日

ハムスターの皮膚が腫れている (体表腫瘤・しこり・できもの)

(本稿には手術写真があります。苦手な方はご注意下さい)




ハムスターの体の上には様々なしこり(腫瘤)が発生します。
その正体は様々ですが、膿の塊である膿瘍から、良性腫瘍および悪性腫瘍まで多岐にわたります。
基本的には外科的な切除によって治療します。

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耳周りに発生したしこり。

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首周りに発生したしこり。

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切除後の写真。

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左後ろ足にできた巨大なしこり。

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切除後。

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抜糸の際の写真。ハムスターさんは当然糸を器用に咬みますので、きれいに傷をくっつけるには技術が必要です。

できものの中には、短期間(それこそ数日で!)で非常に巨大化するものも少なくありません。
巨大化した後での切除は手術の難易度が上がりますので、安易な様子見はすべきではないと考えています。

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2016年04月09日

ハムスターの顔が腫れている (ほお袋のうっ滞)

ハムスターさんはご存知の通りほお袋を二つ持っています。
飼ったことがある方はわかると思いますが、ほお袋いっぱいにご飯を詰め込んでおうちに持って帰る姿はとてもかわいらしいです。
しかし、このほお袋にトラブルが生じることが結構あります。

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左のほお袋がいっぱいになって、食べ物が取り出せなくなってしまっています。

このような状態では食べ物がそのままになってしまい、ほお袋の中で腐ってしまうので、一度摘出してあげる必要があります。
また、このようになる原因として、不適切な食生活や異物の摂取、もしくは原因不明のほお袋の機能不全などが考えられますので、それに対して対処し再発を防ぐ必要性があります。

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麻酔をかけて中身を摘出しました。
こんなにいっぱい頑張って詰め込んでいました!

また、一見ほお袋のトラブルのように見えても、腫瘍や膿瘍などといったできものが発生しているケースもよくありますので、その場合は全く異なる対応が必要となってきます。
ラベル:ハムスター
posted by 小泉ネスト動物病院 at 14:56| ハムスターの医学情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする