2016年11月09日

モルモットのぽんちょ・政宗との闘病生活3

こんにちは、副院長です。

かなり間があいてしまいましたが、今回がぽんちょとの闘病生活の最後のお話です。

専門病院で麻酔をかけて切歯(前歯)と臼歯(奥歯)を削っていただき、その日の夕方からかなり久しぶりに自ら餌を口にして、「やったー!」と喜んだあと・・・

翌朝、突然右斜頸(首をかしげて)、右旋回(右回りによたよたと動く)といった前庭障害がでて、起立不能に・・・
車で1時間ほど遠くですが、前日に診断・処置していただいた動物病院にお電話し、再び車を走らせました。
急な症状だったので近くの動物病院に連れて行けばよかったのかもしれませんが、気が動転していて、そちらの動物病院さんに頼ることしか頭に浮かびませんでした。
車中で時折痙攣・強直を繰り返し、病院に到着後先生の目の前で今までで一番強い強直性痙攣が起こり呼吸も止まりかけました。すぐに心臓マッサージをしていただくと再び呼吸が戻り、鎮静剤により強直の頻度は減りましたが、今度はだんだん呼吸が浅くなりました。

今まで見てきた 動物たちの亡くなる直前を知っている私は、第三者であれば、確実にこれはもう助からない方向へいっていると判断しただろう状況でしたが、

「今まで数ヵ月悩んで一緒に病気と闘ってきたぽんちょが、いなくなるなんて…
昨日の夜やっと一緒に生きていく未来を想像できるようになったのに、今亡くなってしまう方向へいっているなんて…信じたくない」

その気持ちが強くて、酸素吸入を続けさせてもらいました。
しかし、次第に呼吸はほんとうに浅く、回数も少なくなり、時に強直するぽんちょをみて1時間近く、呼吸促進剤を投与してもらっても反応せず、これはもう、延命処置だとやっと気づきました。

もしかしたら、呼吸が戻ってくるかもしれないという希望・期待が無くなった時、もう苦しませるくらいなら安楽死していただこうと思いました。
思ったけれど、それを自分の口から言うのは、本当に勇気がいりました。私の言葉で、ぽんちょの今ある命を止めてしまうのだ、と思うと言いたくないという気持ちと、これ以上ぽんちょを苦しめちゃいけないという気持ちが渦巻き、先生方には本当にご迷惑をおかけしたと思います。
そしてやっと口にできた言葉は、思いだせません。ぽんちょの最期を決める重大な言葉を自ら口にしたはずですが、なんと言ったか思い出せません。
当時はまだ学生だった院長と私で、号泣しながら先生にお願いをしたと思います。
とにかく、安楽死の用意をしていただいている最中、ぽんちょは自ら息を引き取りました。
この最後の1時間の記憶は曖昧でしたが、親身になって対応してくれた動物病院さんには感謝しています。

お迎えしたときから、長く生きることはできないと思っていましたが、数ヵ月とかそういう単位ではなく、数年先だと思っていました。
あの時は、学生だった院長も私もエキゾチックアニマルの勉強を本格的に始める前で、今ならもっといい対応ができたと、後悔しています。

ぽんちょがいなくなってから、私の生活リズムは、今までぽんちょに洗浄や強制給餌をしていた時間がすっぽりと空きました。その分、いなくなったことをかみしめるのです。

一部の爬虫類や鳥類のようなかなりご長寿さんを除いて、ペットさんをお迎えすると必ずお別れがやってきます。
元気なときは別れが来るなんて想像できませんがいつかはお別れが来て、そのお別れが通院・投薬などを経たものになるか、安らかに眠るように迎えるか、手術などのチャレンジをするのか・・・
特にハンディキャップを持つ動物さんをお迎えするということは、闘病する可能性が高く、また一緒に過ごせる時間も短くなる場合が多く、病院にかよう時間やお金がかかります。

私にとって、ぽんちょと過ごした闘病生活はつらく苦しく後悔の残るものでしたが、ぽんちょががんばって生きてくれた瞬間を一緒に過ごせたことは大切なものです。
また、ぽんちょへの後悔がさらにエキゾチックアニマル医療発展への熱意をもたらしてくれました。

闘病生活で一番つらいのはもちろん動物本人ですが、支えるオーナー様・ご家族も肉体的・精神的にかなり辛いものです。
いつ体調が崩れるかわからない子をずっと見て、いつになったら治るのか、そもそも治ることはあるのか、治らないのならいつごろ最期を迎えるのか、その最後は本人にとって・オーナー様にとってどんなものになるのか・・・・・・そんな不安な気持ちとずっと戦っていかなければいけません。

小泉ネスト動物病院では、私たち自身のペットたちの闘病生活や経験も踏まえて、オーナー様が心から辛くなってしまうときも、寄り添いサポートしたいと思っております。最終的な治療や結果が全く同じでも、獣医さんとよく話をして、状況をよく確認して疑問点を解決しておくと、辛い闘病生活も明るいものになることが少なくありません。
当院ではそんなオーナー様のお気持ちを汲み取り、よくお話をして、病院とオーナー様・動物の3者が協力して作り上げる医療を目指しています。
ラベル:モルモット
posted by 小泉ネスト動物病院 at 12:54| 副院長の飼育日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする