2016年03月28日

トゲオアガマのジルくんとの生活

 こんにちは、副院長です。
ご無沙汰しております。開院して4週間ほど経ちまして、色々と落ち着いてきました。
仕事から帰ってきますと諭吉くんとこぷりちゃんは、このようにゆっくりとくつろいでいます。
ゆきこぷお迎え小.jpg
二人は私たちが帰ってきても「わーい!やったー!!!」みたいな感動を最近表してくれませんね。
以前まで、家を空ける時間が長かったときは帰宅すると「やったー!やったー!」という感じだったんですが…

人と離れて生活する時間が減って、特に諭吉くんは大変心穏やかになって、いたずらもしなくなりました。
嬉しい限りです。

 というわけで、私が初めてお迎えした、爬虫類、トゲオアガマのジルくんをご紹介いたします!

ジルくんは共にすごして4年経つところですね。
種類は特に明言されていなかったのですが、おそらくエジプトトゲオアガマ…だと思うのですが、
どうでしょうか?
ジル真正面.jpg
エジプトトゲオアガマは最大全長75cmらしいのですが、ジルくんはお迎えした時から体の大きさに変化はなく全長25cm位ですので、違うかな~と思っていたのですが、顔つきが「エジプトトゲオアガマ」っぽいのです。
本当のところは分かりませんが…

 私にとって初めての爬虫類ということで、ホットスポットや紫外線ランプ、サーモスタットの使い方など、色々と勉強させていただきました。爬虫類はハンドリングもできる場合、種もありますが、ジルくんはそういうタイプでは無く、見ているだけで触れあえない孤高の存在でした。初めのうちは。

 トゲオアガマは草食性です。ジルくんは、ミックスベジタブルや小松菜、青梗菜、豆苗などを食べています。あと、タンポポや食用菊が大好きです。
 食用菊はジルくんを飼いだして初めてスーパーで売っていることに気づきました。結構高いんですよね。でも、すごくおいしそうに食べるんですよ!私も、お刺身についている飾り?の菊を食べてみたことがあるのですが、苦くて、「ジルと私、味覚全然合わないな~」と思いました。
 お迎えして1か月程はエサを自分で食べてくれず…手で口元に持っていくと食べるんです。
ですので、小松菜を千切ったものを口元に持っていったり、グリーンピース(←これも大好き)を持っていったりしていたんです。慣れてくると、なぜか段々明らかに私の手を狙ってぱくついてくるんです。
「いや、エサそこじゃないって」と避けているうちに、ついに人差し指をぱくつかれました。
痛いんですよね、結構。そしてなかなか離してくれない…草食動物のくせに!!結局肉を持っていかれました。
そしてつい先日、脱走して冷蔵庫の裏に隠れていたジルを連れ出す際、不用意に顔元に指を出してしまいましたので、今回は範囲広めに肉をえぐられました。私の不注意ですが痛いです。たいへん痛いです。草食なのに…!みなさんもご注意ください。
もちろん、時間が経つと自ら食べるようになりましたので、口元に出されたものを食べるVIP生活も終了できました。
 あと餌といえば、トゲオアガマのジルくんも、リクガメの二人も、食べ方が下手だな~と思うのですが、爬虫類飼いの皆さまどうでしょうか?

ジルエサ.jpg

ゆっくり狙えばいいのに、勢いでエサに顔をつっこみ、うまく開いた口にエサが入らないとあきらめる…
ですので、昔は葉物野菜は細かく千切っていたのですが今は大きいまま与えています。そちらのほうが私たちの子はうまく口にヒットするようです。
posted by 小泉ネスト動物病院 at 02:00| 副院長の飼育日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月23日

ハリネズミの血尿 (子宮・卵巣疾患)

(本稿は手術写真が含まれますので、苦手な方はご注意下さい)

最近、ハリネズミさんがよく飼育されており、病院で診察することも増えています。
チクタン.JPG

ハリネズミの女の子に多く見られる病気として、子宮・卵巣の異常があります。
この病気に最も多くみられる症状は、血尿です。
子宮や卵巣の疾患は、良性のポリープから悪性の腺癌まで様々ですが、大きく腫れた子宮・卵巣からの出血が血尿として見られるので、膀胱炎などの疾患への一般的な内科療法に反応しません(もしくは一時的に反応しても再発を繰り返します)。
よって、血尿の原因である子宮と卵巣を摘出する手術によって治療します。

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子宮の頚部にできたポリープ

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卵巣が腫瘍化した症例

子宮からの出血は慢性的な出血によって貧血を招くことが多いため、たかが血尿と侮ってはいけません。
貧血が進行して状態が悪化すると手術自体が難しくなるため、早急な手術がその成功率を向上させます。
また、全身麻酔での手術となりますので、当院では血液検査やエコー検査、レントゲン検査などの術前検査によって全身状態の把握も行います。
ラベル:ハリネズミ
posted by 小泉ネスト動物病院 at 18:02| ハリネズミの医学情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月21日

健康診断について

現在の獣医学では、犬や猫以外の動物(ウサギ、モルモット、フェレット、ハリネズミ、カメ、トカゲ、鳥などなど・・・)をエキゾチックアニマルとして、その医療をエキゾチックアニマル医療としています。

エキゾチックアニマル医療においても、犬や猫と同等に、もしくはそれ以上に健康診断が大切になります。
それには様々な理由がありますが、まずエキゾチックアニマルは体調の変化を隠す性質があるため、飼い主様が健康だと思っていても実際は病気であることがあります。この点から、何気ない様子の変化を見逃さないさないことが大切であると同時に定期的に健康診断をすることをお勧めします。
しばしば、エキゾチックアニマルは繊細だから、検査をするとストレスになるといわれることがあります。
また、体の小ささを理由に検査が行えないといわれることもあります。
確かに、検査がストレスになる種はいますし、体調次第では検査をしないほうがいいタイミングもあります。また、サイズが小さすぎて検査を行えないこともないわけではありません。
しかし、工夫と経験次第で、実際はほとんどの動物で犬や猫並みの検査を行うことが可能ですし、その結果に伴った適切な治療が行えます。
当院においても、例えばウサギやハリネズミやモルモット、カメやトカゲの血液検査を日常的に行っていますし、レントゲンもエコーもよく撮ります。
むしろ、過剰に検査を避けることで、本来は早期発見できた病気や治療可能だった病気でペットを亡くしてしまうことのほうが遺憾に感じます。

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ハリネズミの血液検査

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カメの血液検査

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モルモットの血液検査

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イグアナの血液検査

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ウーパールーパーのエコー検査

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カエルのエコー検査

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カメのレントゲン検査

鳥 レントゲン.jpg
鳥のレントゲン検査

また、非常に重要な点として、いろんな動物の様々な飼育方法などが書籍やインターネットなどに書かれていますが、その中には誤っているものもあり、飼育方法のミスによって病気になることも多いです。そのため、病院に来ていただいて、飼育方法や日常の疑問点を解決することが大切です。
病気の発見には様々な検査も重要ですが、健康診断としてはむしろこちらのほうが大切かもしれません。エキゾチックアニマル医療においては、飼育管理や食事管理に関することのみで分厚い洋書の教科書があるくらい大切な部分ですし、獣医がそのような指導をすることも大切な診療の一部分です。


同時に、健康診断の際に病院を訪れ、かかりつけ医を持っておくことも大事です。
普段のペットの様子を見てもらい、飼育環境などを伝えておくことで、いざ病気になったときにスムーズな診断につながります。そして、最も大切な点は、その病院の雰囲気や先生の人柄・考え方が自分とあっているか確認しておくことです。現在、動物病院も多様化し、専門医なども増えてきました。これに伴い、必ずしもすべての動物病院の診療指針は統一されていません。よって、動物病院ごとにいろんな考え方があり、特にエキゾチックアニマルに関してはその傾向が強いかもしれません。
少し難しい話をしてしまいましたが、もっと単純にイメージすると、例えばペットが急に調子を崩し、初めての動物病院を訪れたとして、その先生が「○○ガンです。もう100%助かりません」と診断を下したとして、それがすんなり信じられるかどうか、ということにもなるかもしれません。
普段から行きつけの病院があり、先生とも何度も話したことがあり、小さな病気の際にいろんなことを聞いていて、適切に納得のいく治療をしてもらっていたら、その先生の診断を受け入れられると思います。
しかし、心の準備のないままほぼ初対面の先生に言われたとすると、「診断が間違っているのでは?~~検査はしなくていいの?ほかにもっと良い治療法があるのでは?」と混乱してしまい、たとえ正確な診断だったとしても、先生と飼い主様の足並みがずれてしまいます。
獣医療では、対象となるペットはしゃべりませんし、自分の治療方針を自分で決めることはできません。従って、それを最終的に決めるのは飼い主様であり、獣医は医学的観点と飼い主様の事情をくみ取り、その決定を補助することが仕事になります。よって、獣医と飼い主様の足並みが揃うというのは、飼い主様の頭の中がすっきりと整理されて、疑問なく納得されたうえで獣医とともにペットの治療にあたっていくということであり、これが非常に大切です。この点がうやむやになっていると、どんなに正しい治療も実際はうまくいきません。いわば、ペットが健康なうちにかかりつけ医との信頼関係を作っておくことが重要です。


そして、人間と同様に、高齢になるにつれてあらゆる動物が病気になります。犬や猫もそうですが、当然エキゾチックアニマルも病気になります。ウサギの肝不全、ハリネズミの腎不全、トカゲやヘビの腫瘍(ガン)などなど、挙げればきりがありません。そしてしばしば、初期症状がわかりにくいため、症状に気づいた時には末期ということもあります。

これらの理由から、定期的な健康診断が大切になってきます。
時間があるときに、動物病院にいってみましょう。
posted by 小泉ネスト動物病院 at 20:38| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする