2016年02月24日

ハリネズミのチクタンとの闘病生活2

 こんにちは、副院長です。

 そうして、チクタンがお亡くなりになった後私たちは原因を知るために剖検を行いました。
剖検では、お亡くなりになった体の表面にある「できもの」を取ったり、お腹や胸をあけて臓器を確認し、一部を取ったりします。その後皮膚を縫い合わせ、体を綺麗にして遺体を生前の状態のようにします。
 お亡くなりになっているからといって、体を無下に扱うことはありません。私共のペットはその後、動物霊園で火葬していただいております。

 剖検の目的は原因究明です。摘出した組織や臓器は、病理検査や細菌培養検査といった専門的な検査を行い、その病変の正体(炎症なのか、腫瘍なのか、腫瘍であれば良性や悪性、その由来など)や何が悪さをして本人の体調を乱していたのかを追求し、可能な限り死因を確定します。
生前に確定診断ができなかった場合や、急死してしまった場合などにその子がなぜ死んでしまったのか知り、今後同様の症状を示した子たちに適切な治療、生活を提供するためでもあります。
さらにこういった病理検査などの情報を本人の経過と照らし合わせ、さらに情報を蓄積していくことで、その病気の予後(治る見込みやたどる経過)がわかり、そこから新たな治療法が生まれることもあります。
特にエキゾチックアニマルといわれる動物の場合、飼育頭数が絶対的に少ないことからいろんな病気の情報が少なく、まだまだ医療は発展途上ですから、剖検から得られる情報はとても大きいものです。

 自分のペット、つまり家族を剖検することに対して「死んでも切り刻むの?」と非難されたこともありました。ですが私たちは獣医で、原因が分からず亡くなった私たちの子たちの死から何も学ばず、オーナー様のペット(ご家族)の診療を続けることこそ不誠実であると思います。

 原因がはっきりとせず、私共の力及ばずお亡くなりになってしまったとき、場合によってはオーナー様方にご遺体の剖検をお願いすることがあるかもしれません。ご遺体は剖検後できる限り縫い目を分からないようにしてお返しします。
 お亡くなりになってしまった上に、死後も体に手を加えるということにご同意できない場合には、遠慮なくお断りください。

 私共は原因を知ってそれで終了ではなく、他の子たちの治療、生活の質の向上のために学ばせていただくために、丁重にご遺体に接し、感謝の念をもって剖検に当たらせていただいているということをご理解いただきたく思います。
ラベル:ハリネズミ
posted by 小泉ネスト動物病院 at 04:06| 副院長の飼育日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする